めばちこ・ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)

麦粒腫とは

麦粒腫俗にめばちこ・ものもらいと呼ばれる病気で、原因は細菌感染によるものです。汗を出す腺や、まつげの毛根に感染した場合を外麦粒腫、マイボーム腺の感染を内麦粒腫と呼びます。

麦粒腫の原因

麦粒腫の原因は、人の皮膚の上にもともと存在する黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌などの常在菌です。風邪をひいた時など、身体の抵抗力が低下しているタイミングで発症することが多くなります。また、高温多湿の夏は細菌が繁殖しやすいため、他の季節と比べると発症リスクが高くなります。
発症の予防のためには、目のまわりを清潔に保つこと、できるだけ手で触らないこと、コンタクトレンズを正しく装用・管理することなどが大切です。もちろん、食事・運動・睡眠といった生活習慣に気を配り、抵抗力を保つことも重要です。

麦粒腫の症状

初めはまぶたに局所的な赤みが出現し、しばしば軽度の痛みや痒みを伴います。炎症が強くなってくると、赤み・腫れ・痛みが強くなります。化膿が進むと、腫れた部分が自然に破れて膿が出ることがあります。膿が出てしまえば、その後症状は回復に向かいます。

麦粒腫の治療

軽度のものであれば、目を清潔に保つことで治癒が期待できます。
ただし、痛み、腫れ、目やにといった症状が出ているようであれば治療を行います。多くは、抗生物質の入った点眼液(目薬)によって1週間ほどで治ります。炎症が強い場合には、抗生物質の内服が必要です。 膿が溜まっている場合には、小さく切開を加えて排膿をすることもあります。排膿により症状はかなり改善します。なお、ご自身で膿を出そうとする行為は、症状を悪化させるおそれがあるため厳禁です。

霰粒腫とは

霰粒腫霰粒腫とは、まぶたに生じるしこりです。麦粒腫とは違い、基本的に痛みはありません。
ただし、しこりで細菌感染を起こした場合には、痛みや腫れが見られます。また、痛みや腫れが引いてからも、しこりが残ってしまうことがあります。

霰粒腫の原因

まぶたの中にあるマイボーム腺の出口が詰まることが直接的な原因となります。
その背景には、不規則な生活や偏った食事、疲労、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどがあることが多くなります。また、アイラインなどの化粧品が原因となることもあります。

霰粒腫の症状

症状はまぶたの腫れや異物感です。典型例では痛みも赤みもなく、眼瞼にコロコロとしたできもの(腫瘤)を触れます。炎症を伴った場合は麦粒腫と似た症状が出ることがあり、これを急性霰粒腫と呼びます。

霰粒腫の治療

マイボケア痛み、赤みがある場合には、抗生物質の入った点眼液(目薬)を使用します。
しこりだけで痛みがない場合には、ステロイド点眼(目薬)、軟膏による治療が有効です。 ただ、しこりが残ってしまうことがあり、気になる場合には内容物を摘出する手術を行います。 霰粒腫を切らずにマイボーム腺を温存する治療として、温罨法、リッドハイジーンがあります。患者様自身による毎日の温罨法、リッドハイジーンによるマイボケア(図)が重要です。
詳しくは、LIME研究会ホームページの動画(MGD治療:リッドハイジーン)をご覧ください。